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ハイデラバード・2

2月15日

地元の若者がおススメするビリヤニ店に行くことになった。

自分が調べた範囲では、宿からレストランまでは結構距離がありそうで、リキシャーの相場がわからない。

 

流しのリキシャーを捕まえ、運転手に行先を言って運賃がいくらか言ってもらう。

「この料金の半分なら支払います」と私が言うと「話にならないな」と運転手は言う。

ところが、「しかたないですね、他を当たりますので」と私が言い出すと

「ちょっと待ってくれ」と運転手が「この金額なら、どうだ」と言い始める。

ここからが本当の交渉。

運転手の表情を見ながら、最終的な価格を決めた。

リキシャーが走り出して15分後に目的地に到着。

おそらく5Km以上は走っただろう。

 

メモに書いてあった店名と同じだ、これで合っている。

間違いなくこの店だ。

地元民でごった返す大繁盛の店。

これは期待できそうだ。

着席後に壁のメニューを見て、一番オーソドックスなマトンビリヤニをオーダーした。

 

10分後に料理が運ばれてきた。

ブロンズの壺に入ったビリヤニは湯気を出している。

壺から、別に用意されたステンレスの浅皿にライスを移す。

いよいよ実食だ。

 

抜群に美味しい!

パラパラのバスマティ米に、ギー(澄ましバターの)濃厚な風味。

米もカレーの風味が効いて、かつ旨味とコクがある。

クローブやカルダモンなどのスパイスの香りも鮮烈。

大きめの骨付きマトン肉がゴロゴロと入っている。

肉はジューシー。

ライタ(ヨーグルト)や紫玉ねぎのスライス、レモンのスライス。

こうした酸味の付け合わせを口直しに食べる。

カレースープもついていて、ライスにかけて味のアクセントを楽しむ。

ライスをすくう手が止まらない。

 

それなのに・・・いくら食べても、ライスは減っていかない。

このビリヤニはメチャクチャ美味しいのにもかかわらず、絶望的なほど量が多いのだ。

普通盛りで4人分くらいある。

もしかしたら6人分くらいあったかもしれない。

私はビリヤニの量がこれほどとは思っていなかったので、サイドメニューでチキン65(スパイスの鶏唐揚げ)をオーダーしてしまったことを激しく後悔していた。

これを全部食べ切るのは、どう考えても不可能だ。

 

 

よーくメニューを見ると、ビリヤニミニと書いてあるのを見つけた。

価格も量も通常の半額。

これをオーダーすべきだったが、後の祭りである。

店内を見渡すと、女性客2人組がビリヤニミニ1食分を食べていた。

これでも2人分以上はたっぷりあるのだ。

見ていて、そりゃあ当然そうなるよ、と思う。

 

しかし、通路を挟んで私の隣に座っていた小太りの男は、私の想像を超えてきた。

彼は私より遅れて着席し、ビリヤニ普通盛り(4人分)を非常に早いペースで食べていったのだが、私より先に完食してしまった。

彼は店員に向かって人さし指を1本立てている。

なんとお替りをしたのだ。

信じられない。

普通盛り(4人分)を続けてオーダー!!

 

本当に色々な人間がいて、見ていて飽きることがない。

多様性の国、それがインド。

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